億り人になるには起業か不動産投資しかない
プレジデントの最新号の特集は「1億貯まる生き方」というので、ぱらぱらとのぞいてみましたが、僕の考えと全然違うので笑いました。普通のサラリーマンが1億円を貯めるには起業か不動産投資しかない、と断言していましたが、本当でしょうか。
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僕は1億円程度なら普通のインデックス投資家なら十分ありえると思っており、この特集は不動産を買わせたいためなのかと思ってしまいます。単純なシミュレーションをしました。過去20年、内外の株、債券、REITの8資産に分散した平均リターンはmy indexによると、リターン8.9%、リスク13%です。
もし、平均年収の人が資産の15%を積み立てていったらどうなるでしょう。20代の平均年収は348万円ですから月4万3000円ずつ、30代の平均年収は458万円だから月5万7000円ずつ、と10年ごとの平均年収をもとに大卒後、定年までの38年間積み立てたとしたら、なんと60歳では1億8775万円に上ります。億り人は余裕に達成しますね。
いやいや、たまたまここ数年のリターンが異常で8.9%は高すぎるという突っ込みが当然入るでしょう。平均的なリスクプレミアムと思われる、リターン5%で、計算をしました。その場合は60歳で7820万円と1億にたどり着けません。しかし、これに大卒の平均退職金額2156万円をたせば9976万円。さらに、これは夫だけの金額ですから、結婚して妻の貯蓄を合わせれば十分1億円にいきますね。
だから、不動産投資なんかしなくたって、起業のリスクをとらなくたって、家計に気を配れば十分可能だと思うのです。夫だけ15%の貯蓄というのも、インデックス投資家のかたなら、結構、余裕でいけるでしょう。
もちろん、リターンは年で上下するので、これを下回る可能性は高いですし、そもそも、病気やリストラなど人生にいつ多額の出費があるかはわかりません。それでも、机上の計算といえどもインデックス投資だけで達成できるのに、なんで不動産と起業しかプッシュしないのかが分からない。リスク(危険)はインデックス投資より、不動産や起業のほうがよほど高いだろうにね。
また、この手の雑誌でよくあるのが、金持ちは長財布を使うという説。プレジデントによると、財布が二つ折りだと窮屈に感じてお金は逃げてしまい、まして、尻ポケットにいれるなど言語道断だそう。でも、お金に魂があると思う時点で、合理的計算が求められる投資とは縁遠い気がします。
一般的に長財布のほうがブランド性も価格も高いので、財布を長財布にするから金持ちになるのではなく、金持ちだから長財布を買えるわけでしょう。単純に財布を長財布にして金持ちになれるのだったら、だれも苦労しません。日経マネーも財布理論で金の貯まりやすい財布を売り出していたと思いますから、この手の雑誌はどうしても眉につばをつけてしまいます。