下流老人に直行? 投資「必要ない」が4分の3
日本証券業協会は証券投資に関する全国調査を発表しました。http://www.jsda.or.jp/shiryo/chousa/data/files/h27/H27gaiyou.pdf 3年ぶりの大規模調査で、いろいろなデータが盛り込まれています。預貯金は92%が行っている一方、株式投資は13%、投資信託は9%にとどまっています。投資の必要性については、76%が「必要ない」と答えていました。2日朝、NHKの「あさイチ」で下流老人特集をしていましたが、今回の調査を見ると、下流老人に直行しそうな人は大勢いるというのが率直な印象です。
調査は今年6~7月、全国7000人に行われました。株式の保有率をみると、北海道、東北、九州など地方が低く、京浜、阪神、東海など都市部が高い。地域格差の象徴でしょうか。地方ではなぜか中国地方が高いというのは不思議です。
今後1年に株を購入したいかという質問には86%がNOと答えました。しかし、年収別でみると、年収1000万円以上では46%がYESと答えており、ここでも、今後の格差は広がる一方という感じです。証券投資の必要性も、きれいに年収と比例していました。
一方、金融への知識ですが、株式とは「株式会社が事業資金調達のために発行するもの」と知っていた人は49%。つまり、過半数は株式が何か知らない。投資信託が「専門家が投資・運用するもの」を知っていた人も40%にとどまっています。僕は下流老人に陥らないための方法として、投資は重要と思っていますが、せめて、このくらいの知識は身につけないと、投資は危険ではないでしょうか。
株式の購入理由については、長期の資産運用が34%、短期の値上がり益期待が33%とほぼ互角。配当狙い48%が最も多く、株主優待狙いも31%と高率でした。投資信託の購入理由についても「定期的に分配金が受けて織る」が49%と「長期運用」の47%を上回っており、このへんは日本独特の回答かもしれません。
「下流老人になるのが怖い」と闇雲に恐れるぐらいだったら、この辺の知識を身につけて、実践することを個人的にはお勧めします。