【投資本65】藤田孝典著「続・下流老人」 朝日新書



 「下流老人」(朝日新書)で一大ブームを起こした藤田孝典さんの続編。「下流老人」は賛否両論あるでしょうが、貧困の実態に一石を投じた点で評価しています。ただ、その次の、若者の貧困を扱った「貧困世代 社会の監獄に閉じ込められた若者たち」(講談社新書)はデータをかなり恣意的に扱い、例えば民主党時代の数字を現政権のせいにしているなど、かなり疑問をもちました。そこで、本作はどうなのかと思ったのですが、基本的なトーンは、「下流老人」同様評価しています。ただ、世界的な潮流を日本のせいにしているところは、賛成できません。そうしたことをアマゾンのレビューで書いたので、それを紹介します。

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  「下流老人」という言葉を定着させた前著に引き続き、多くの人に読んでもらいたい老後の貧困について書かれた本。今回は高齢者が意に沿わない仕事を続けざるを得ない状況などを報告しています。普通の人がこういう状況に陥っても不思議ではない実態に衝撃を受けますが、何より、類似本と比べて白眉なのは、慶応大の井手英策教授とともに、財源不足をいいたてる政府の経済政策に疑問を呈した第5章。社会を分断しないためにも救済ではなく共存型の分配の提案は、素晴らしいの一言。さらに、「信じて声を上げ続ける」ことを訴える著者に敬意を表します。

 ただ、疑問もあります。著者は社会保障費の優先順位は低く、介護、年金など高齢者対策にもっと国が支出すべきだと主張しています。しかし、日本の社会保障費は当初予算の3分の1を占め、公共事業費、防衛費、文教費を合計したよりも2倍も多くなっています。しかも、社会保障費のうち高齢者向けは7割を占めます。著者が手本とする北欧(スウェーデン)は3割しかしめていません。年金支給開始年齢は欧米主要国は日本より遅いか、引き上げを検討しています。日本は海外に比べて高齢者に手厚く予算を出しています。働き方についても、日本固有の問題ではありません。ロンドン・ビジネススクールのリンダ・グラットン教授のベストセラー「ライフシフト」では、先進国は年金財政の窮乏と高齢化により、80歳代まで働くのも当たり前になると指摘しています。

 そうなると、公助にも限界があり、自助をもっと考えなければなりません。高齢社会白書では、「貯蓄や資産が足りない」と回答した高齢者は、日本は57.0%でしたが、アメリカ24.9%、ドイツ18.0%、スウェーデン18.9%。それなのにに「現役時代に何もしなかった」は日本が42.7%に対して、アメリカ20.9%、ドイツ26.1%、スウェーデン25.4%と、日本の自助努力の遅れが目に付きます。

 さらにいえば、金銭面以外の自助のほうが重要です。筆者も本書のあちこちで指摘してるような、地域、家族、友人とのつながりをもつことや、何歳になっても使える労働スキル、困ったときに声を上げられる勇気、どのような制度、支援団体があるのかを知ることなどがあげられます。もし、3作目を書かれるときには、個人として具体的に何が必要かにフォーカスした内容を期待します。

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40過ぎの窓際サラリーマン。数学と英語は大の苦手だけど、コツコツ投資頑張ります

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