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フードバンクが広がった21世紀 良いことか悪いことか



 食品ロス削減推進法案が参議院の消費者問題に関する特別委員会で可決され、週内にも成立する見込みです。法案は廃棄される賞味期限内の食品を企業などから譲り受けて福祉施設や困窮者らに届ける「フードバンク」活動への支援を義務づける内容などです。フードバンクは食事に困った人たちへ食料を無償で提供する団体で、日本では21世紀に入ってできたばかりのものです。なぜ、いまフードバンクが注目されるのか。フードバンクの創設者の一人で貧困対策問題の第一人者といえる湯浅誠・東大特任教授の講演を聴いてきました。

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 湯浅さんはリーマンショックの派遣村で有名ですが、もともとは1990年代からホームレス支援をしていました。山一証券の破綻などで揺れた1997年、湯浅さんの支援する都心のホームレス数はわずか2年で6倍に増えます。しかし、、そのころホームレスというのは社会から落ちこぼれた嫌われ者であり、大部分の人にとっては自分に関係ない無視しても良い存在でした。支援者もごく少数の人に限られています。湯浅さんは「人間はみたいものしか見えない。(多くの人は)視界に入っても見えなかった」と振り返ります。

 ところが、日本社会の変容がそのころから始まります。高度成長からバブルのころは、国、企業、正社員の3重の傘が大部分の国民を守ってました。男性は終身雇用で企業から手厚い福利厚生を受け、女性は専業主婦で子育てに専念します。企業は国からの各種補助金や税制面での優遇措置を活用します。そのころは非正規とは、学生や主婦が小遣い稼ぎとして働くことで、だから最低賃金が生活保護を下回っても、だれもなんとも思わなかったのです。

 それが90年代末から21世紀初頭に社会は大きく変わります。非正規雇用の増大やリストラで社会の中心だった正社員男性は大きく減りました。離婚の急増で母子家庭も増え、少子高齢化で介護が必要な高齢者も増えます。これだけ社会が変わると国も手厚い福祉をする余裕がありません。しかし、人々の意識は昭和のまま。正社員になれなかったり、病気やシングルマザーで貧乏になるのも自己責任という感覚の人が多かったのです。

 生活保護の敷居が高くても食べるものがない人に食べ物を届けようと、欧米で行われていたフードバンクサービスが日本で始まったのは2000年のことでした。そして、今や昭和的なレールからだれでも落ちる可能性があることが多くの人に認識され、自分で簡単にできることとしてフードバンクやこども食堂が全国に広がっています。フードバンクについては環境問題の側面もあり、ごく普通の人が食料を寄付するようになりました。

 また流通業界にとっては在庫管理というのはけっこうコストがかかるものであり、賞味期限間近の食材を寄付することは自社のイメージアップに加えて、コストカットにもつながります。ちなみにこども食堂が日本でスタートしたのは5年ほど前ですが、今や全国に3500カ所もあるそうです。

 右肩上がりの成長経済で、男性正社員が社会を支えるというロールモデルがあったほうが楽な人もいるでしょう。そういう人からみれば社会の多様化は受け入れがたいことです。けれども、社会が変わってしまったのだから、それに併せて意識を変える。「情けは人のためにならず」ではないですが、貧困支援をすることが明日の自分や家族を助けることになるかもしれない、支え合って生きて行こうという意識が大きく広がっているのは、僕自身はすばらしいことだと思います。食品ロス削減法案で、こうした活動がますます広がることを期待しています。

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Author:夢見る父さん
40過ぎの窓際サラリーマン。数学と英語は大の苦手だけど、コツコツ投資頑張ります

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