配偶者と子供はコストじゃないのに




そもそも結婚するしない、子供を産むうまないは個人の考えであり、妻帯者、あるいは親だからと言って他人の考えに容喙する必要はないと思います。でもFIRE希望だったら経済的な考えを第一に考えるでしょうから、経済的にそうなのか検証してみました。
まず配偶者については共働きのほうが収入が多くなるからFIREが早くなります。日本の場合、累進課税ですから片方で年収1000万円より、夫婦とも年収500万円の世帯のほうが手取りは多くなります。通常、年収1000万円だと手取りは700万円ちょっと。一方年収500万円だと手取りは400万円弱です。つまり年収500万円の共働きだと、同じ世帯年収が1000万円なのに100万円近く差があるのです。
一方、支出ですが総務省統計局の統計によると20代の単身世帯の支出は月16万円、2人以上世帯は25万円です。2人以上世帯には子供がいる世帯も含まれていますから、夫婦2人だけだったらもっと低い額。家電とかは夫婦で1つもっていればいいわけですし、家賃もワンルームが2DKになっても倍にはならないでしょう。夫婦共働きのほうが月8万円得だとすると、年間で100万円ちかく得になります。
社会保障では年金がそうですね。結婚していれば配偶者が亡くなった場合、遺族年金がでます。でも単身だったら当然遺族年金はもらえません。そもそも共働きだったら妻も厚生年金をもらえるわけですから、フルタイムの共働きだと年金だけで暮らせるから、老後2000万円問題も起きないのです。
もちろん、配偶者が働かなかったり、浪費癖があるとこういう計算はいきません。でも、結婚ってお互いの考えが合わないとうまくいかないというのは、経済面だけにかぎりません。結婚する時点で、経済面に関する考えをすり合わせれば、そうしたリスクは減るのではないでしょうか。
子供についてはもう少し定性的に考えてみます。育児のメリットには、食事を考えるようになること、体力を使うことがあると思います。独身のころは毎日牛丼とかハンバーガーで済またり、食事を抜いたりしたこともありました。でも、子供が産まれると、一緒に食べなくても、食卓には野菜とかでるわけですからバランスよい食事をとるようになりました。体力も同様です。独身時代はずっと家でゲームばかりしていたこともあったけど、子育てはとにかく体を使います。
実は若いころに栄養が偏ったり、体を動かしていないと中高年になったら成人病まっしぐらの危険があります。成人病は想像以上に恐ろしく、例えば糖尿病だと失明や歩行不能になることもあります。今、日本は世界トップクラスの長寿国の上、高齢者医療は進んでいますし、日本に安楽死がないわけですから、そういった状態で下手すれば何十年も生きなければならない必要があります。
また、成人病にかからなくても、介護の必要があったときに、家族がいるかいないかでは費用が全然違ってきます。介護保険は実はそれほど家計の役に立たず、例えば訪問介護を頼めるのは、介護度にも違いますが最大で1日1時間半までで、自己負担もあります。それ以上にヘルパーさんが必要だったら、全部自腹になるから膨大な金がかかります。だから、家族がいるかいないかで経済的負担が全然違います。
もちろん、子供との関係がうまくいかない場合もあるでしょう。また、子供は別人格だから介護を押し付けるわけにはいきません。けれども、子供の教育費は1000万円かかるといわれますが、こうした健康面、介護面のリスクを考えると、1000万円以上の価値はあると思います。
もっとも僕の場合、そもそも子供がいるだけで今幸せで、それだけで金銭的には代えがたいのですけどね。