FIRE破綻は急増するのか




人生100年時代、65歳定年が70歳定年に移行しようとしてますから、60歳前後の退職は今の時代のFIREでしょう。しかし、若い世代のFIREを批判しています。FIREに対する考えは人それぞれですが、正直、世代の差を感じてしまいました。
榊原さんは「若い時から死ぬまで一生、節約生活は魅力的でない」といいます。でも、この考え方は人それぞれでしょう。榊原さんはバブルまっさかりのころに社会人になられていますから、若いころに贅沢を味わっていても不思議ではありません。でも、今の若い世代がお立ち台にたって「ディスコ」で扇を振るうような贅沢をしたいのでしょうか。
もちろん、贅沢したい人もいるでしょうが、無理に贅沢をしても意味がないという考えは急速に広まっていると思います。家計調査とかみても、若い世代は堅実ですしね。だから、バブル世代にとっては節約生活は魅力的でないにしても、若い世代を中心に節約生活でも全然平気という人は増えているといえましょう。榊原教授は節約生活に耐えきれず若者のFIREの破綻が相次ぐといいますけど、そんなものかなと疑問を持ってしまいます。
実際、榊原教授は31歳でFIREするには5億円必要といいます。けれども、長いデフレで今や生涯年収は2億数千万円。人生をもう一度生まれ変わらないと、そもそも5億円なんて大金はおがめません。さらに早く仕事を辞めてもろくなことじゃないといいますが、これもバブル世代で大学教授というエリートになった人による生存者デバイスだと思います。FIRE希望の普通のサラリーマンとは金銭感覚や仕事への意欲が違いすぎるのではと思ってしまいました。
もっとも、60前後でのFIREは経済的にもゆとりができやすいし、体力的精神的にも働くのがそろそろしんどくなる時期に、あとは好きなことをして暮らすというのも魅力的です。まあ、僕自身はその中間の年齢でFIREをしたのだけど、人生なんとかなるわけだし、自分が推すライフプランを推奨するのはいいけれど、他人のFIREの方法まで批判しなくてもいいかな。