投資と投機は違う ダブル・スコープ暴落




ダブル・スコープは20日に韓国で子会社がIPOすることを発表しました。EV用電池というスポットが集まりやすい業種の上、子会社のIPOでさらに資金が入ると株価は上昇。3月の年初来安値から半年で5倍近くまで上昇していました。SNSなどで買いを勧めるインフルエンサーなどもいましたし、SBI証券や東海東京調査センターも買い推奨で高めの目標株価を設定していました。
ところが、公開価格が事前の想定価格より最大4割安かったため大量の失望売りに。上場子会社の時価総額は日本円で最大3400億円になる見込みが2100億円に減少してしまいました。ダブル・スコープの売上高は300億円弱なので、いかにショックかわかります。信用買い残も多く、一度株価が暴落したらそのこと自体がさらなる下げの材料となる悪循環となっています。
政府は貯蓄から投資へといっていますが、想定しているのは国際分散された長期投資。ただし、それでは年率数%のリターンしか期待できません。一方、ダブル・スコープのように半年で5倍近く儲けられれば、それを何度か見つけるだけで短期間で億り人達成です。だから、こういう投機的な株に惹きつけられる人が多いのでしょう。
僕自身、昨年はグローバルウェイという投機的な株に資金をつぎこみました。だから、そのこと自体は悪いとはいえません。でも、投機がうまくいけばいいですが、だめだったら退場、借金までするとなったら資産運用という意味はありません。あくまでも余裕の範囲でとめるべきでしょう。
FIREブームも基本的に賛成ですが、とにかく時間がかからずに手っ取り早く儲けたいという人は若い世代の方に多いように感じます。けれども、時間というのは価値あるもの。短期間での大儲けを狙って退場するような大ダメージを受けることは絶対に避けるべきでしょう。去年のグローバルウェイも急騰から暴落まで悲喜こもごもでしたし、今後もこうした株はつきないでしょう。それだけに、投機にはご注意を。