90歳までに使い切るお金の賢い減らし方のセミナー




大江さんがなぜ本を書こうと思ったかというと、お金の増やし方の本はあふれかえっているけど、増やすこと自体は実はそれほど難しくないといいます。普通に働いて安定収入を得る、支出をコントロールする、貯めたお金を積立投資をするの3点でいいといいます。実際大江さんの前著「となりの億り人」で取り上げた人はみんなこの3点をしていました。僕自身もそうですね、この3点は本当に基本で簡単なこと。実際には人間の意志は強くなく、時間がかかるのでなかなかできる人は少ないのですが。
しかし、大江さんによるとお金をうまく減らすほうが難しいといいます。お金が減ると不安になるし、我々はお金を中心に物事を考えすぎてしまうからだそう。かつて100歳の双子としてテレビでも有名になった「きんさん、ぎんさん」はギャラを将来のために貯蓄していたそう。「老後不安」という物語が日本に蔓延しているためだそうです。
これはメディアが不安をあおり、自分が「見える化」をしておらず、誰もが体験していないからだそう。実際に高齢者の多くは家計に困っていません。大江さんはマネーフォワード画面で自分の家計をみせてくれましたが、少なくともずっとサラリーマン家庭でしたら何とかなりそうだというわけです。
だから、生きているうちにお金を使い、投資や寄付もやればいいというのです。お金を中心に考えると間違えてしまう。むしろお金を減らして仲間、思い出、幸福感を得ることが重要だといいます。大江さんは「人生の目的は金持ちになることでなく幸せな人生を送ること」といいますが、まさにその通り。
今回の著書もセミナーもお金を減らす具体例というより心構えの紹介でしたが、多くの人が賛同するのではないでしょうか。ただ、僕自身は現時点では資産があるので減らすのには賛成だけど、だんだん減って不安になったときの対応方法とか今後聞いてみたいと思いました。