中高年で生命保険が必要な人は意外といる




例えばプレジデントオンラインで「50歳をすぎたら生命保険も医療保険も不要」との記事がありました。生命保険は無駄な支出で最も大きなものとして批判。入るにしても「まだ年齢が若くて子供が小さい、そして配偶者が働いていない場合には生命保険に入った方がいいと思いますが」としています。子供が大学を卒業するまで教育費はかかります。最近は晩婚化で40代で子供を産む家庭(我が家もそうですが)は普通にあり、親が60代でも子供は大学に通ってることは十分ありえます。少なくともよほどの資産家でない限り、万が一を想定すると生命保険に入っていたほうが無難でしょう。ただ、コストはかかるので、どのくらい必要か、掛け捨てで共済を利用するなどの工夫がいりますが。
また、生命保険のもう一つの効用である相続税対策についても、「年輩の人で生命保険が必要なのは数億円の資産を持っている人です」としていますが、これにも賛成できません。むしろ、都市部に持ち家がある人は、あらかじめ相続税を推計して生命保険で対策をねっていたほうがいいです。
最近の地価高騰で都市部に持ち家があるだけで、簡単に資産価値は1億円近くになります。昔は相続税の対象は結構な資産家でしたが、今や普通の家庭でも持ち家があれば対象になる可能性が高い。
しかし、金融資産で1億円ももっている人は人口のごく少数。配偶者への相続は控除が多いですが、両親とも亡くなり子供が受け継ぐ場合は控除が少ないため大変です。兄弟姉妹がいる場合は、分け方も大変になるし、不動産を売却しないと相続税が払えなかったり、不公平感で争族が起きる可能性も高い。
親の金融資産が少ない場合は葬儀代についても同様です。親の保険で葬儀や相続税がまかなえれば、子供への迷惑はかかりません。ちなみに我が家はこのケースで、親が保険に入ってくれたから、葬儀や相続税の支払いがかなり楽になりました。
生命保険を無駄だと切り捨てるのではなく、中高年だと相続のことを考えて検討するべきでしょう。まあ、相続人がいない場合や、何億円も資産をもつ相続人ばかりのときは、切り捨ててしまってもいいと思いますがね。