ワシントンポスト紙はなぜ買収されたのか?

 昨年、アメリカの大手新聞、ワシントンポスト(WP)がアマゾンの創業者、ジェフ・ベゾス氏に2億5000万ドルで買収されました。このことについてのセミナーが行われたので参加しました。講師は読売新聞の松井正・メディア局編集部次長。

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 以下、松井さんの講演内容です。WP紙は、ニクソン大統領を辞任に追い込んだウォーターゲート事件でしられるアメリカを代表する高級紙ですが、実は2010年の売り上げ47億ドルのうち55%はカプランという予備校などを経営する子会社があげており、新聞事業はわずか14%に過ぎませんでした。

 また、同紙は早くからインターネット事業に取り組んだものの、ここ数年、ニューヨーク・タイムズなど大手紙がサイトの有料化を始めたのに対して、WP紙は従来からの無料でアクセスを稼いで、広告収入で稼ぐというモデルのままでした。日本よりもネットの進展が進んでいるアメリカでは、新聞紙は衰退の一歩で、WP紙も発行部数は1993年をピークに半減しました。これは同紙だけの問題ではなく、新聞業界の広告収入は2003年の449億ドルが2012年には192億ドルと半分以下になっています。新聞社サイトの広告収入の売り上げは12億ドルが33億ドルと3倍近くになっていますが、絶対額ではとても減収を補えません。

 そのため、有料化で販売収入を得ようと各社は取り組み、ニューヨークタイムズは電子版が紙の部数を追い抜いたほどですが、WP紙は完全に出遅れました。そのため、不採算部門の維持が厳しくなってしまったのです。

 一方、ベゾス氏はポケットマネーでWP紙を買収しました。彼の個人資産は250億ドルと言われるので、資産の1%程度でしょうか。彼が購入した理由については2つがいわれています。1つは新聞社の持つ政治的影響力がまだ衰えていないこと。アマゾンは消費税など税制面で各国政府や州政府と軋轢が耐えません。しかし、WP紙のオーナーになれば、首都ワシントンの名士となり、大統領を始め権力者で作るインナーサークルに入ることも可能でしょうから、有形無形の影響力を駆使できます。

 2つめはWPというブランド再興への挑戦です。ビジネスマンとして困難への挑戦は意欲をかき立てられるほか、ソーシャルな時代でも一次情報としての新聞記事の重要性は変わらず、ネットとニュースコンテンツの親和性が高いこと。松井さんの講演から離れますが、かつて、スティーブ・ジョブス氏は「自由で良質なジャーナリズムがあってこそ民主主義は機能する。それは伝統的な印刷メディア」と話したことがあります。玉石混淆のネットで、少しでも高品質にするには、WPというブランドが必要だったということかもしれません。

 松井さんによると、ベゾスは「顧客第一主義、発明、忍耐」の3つをモットーとして掲げているそうです。編集方針には口を挟まず、買収後1年は現在の幹部を替えず、様子見をしようとしています。しかし、ベゾス氏は、無人飛行機で商品を個別配達する計画をぶちあげるなど、予想もつかないアイデアを出す人ですから、WP紙についても、驚くべき計画がでるかもしれません。

 ちなみに、米国では著名投資家のウォーレン・バフェット氏がいくつもの地方紙を所有し、ワシントンポストの取締役を長年勤めてきたなど、新聞も投資の対象になっています。日本では、以前、堀江貴文氏のフジテレビ買収、三木谷浩史のTBS出資などが話題を呼びましたが、新聞社の株は公開されていないうえ、最近はIT企業のマスコミ買収の動きは、少なくても主だってはでてきません。一方、日本の新聞も部数は減少傾向にあり、ネット事業にシフトを始めています。アメリカのような天才経営者による参入があれば、日本のメディアも激変するのですが、どうなるでしょうか。

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40過ぎの窓際サラリーマン。数学と英語は大の苦手だけど、コツコツ投資頑張ります

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