【投資本34】ライアカット・アハメド著 世界恐慌(上)(下)

 第一次大戦から第二次大戦まで、英米仏独の4人の中央銀行総裁を中心に、なぜ、金融恐慌が防げなかったを丹念に描いた作品。米FRBのバーナンキ前総裁が大恐慌の研究で知られていますが、今も昔も人間の考えること、失敗の構図は変わらないことを実感しました。

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 当時、各国政府は金融のことはプロの中央銀行に任せればいいと考えていました。第1次大戦からほぼ10年、米、英、独、仏の4カ国の中央銀行総裁は閉鎖的なクラブを作り、世界経済の中心にいました。彼らの権力は絶大で、金融面に関しては大統領や首相すらしのぐほど。

 4人は出自はばらばら。英国の代々銀行家の血筋のノーマン・イングランド銀行総裁、ドイツの貧しい村出身で金融界に才覚でのし上がったドイツのシャハト・ライヒスバンク総裁、米国の名家出身で銀行で出世を重ねたストロング・ニューヨーク連銀総裁、フランスの地方の名家出身で官僚出身のモロー・フランス銀行総裁。しかし、それぞれ各国で随一の金融の専門家でした。

 ところが、現状での専門家ということは、新しい時代に対応することができない。金本位制という、第一次大戦までは機能していた制度を、戦後のがらりと変わった世界でも通用するといつまでもしがみついてしまいました。なまじ優秀だったことが、余計、深みに。

 また、それぞれの祖国にとらわれ、国際的な視野がなかったことも悲劇でした。第一次大戦でドイツは過酷な損害賠償を迫られ、ハイパーインフレに陥ります。戦勝国の英仏も米国から戦費を借りたため、財政は厳しい。アメリカは世界経済の中心がイギリスから移ってきたのに、海外に目を向けず、自国の株バブルに踊っていました。その結果、ドイツのインフレ対策の失敗による金融収縮、米国の株バブルの崩壊、銀行の取り付け騒ぎ、欧州の金融危機が次々に起き、大恐慌に突入しました。

 興味深かったのは、第一次大戦前、金融業界では、こんなに互いに経済的に依存しあっているのに、戦争が起こるわけがないと信じていたそうです。安倍首相のダボス会議での発言が話題になりましたが、戦争はなぜ起きたのかについてもkなが得させられます。つい近年もそのような論評が出ていたのが、人間は歴史に学ばないように思えてなりません。最近も、アジアやロシア金融危機、ITバブルの崩壊、リーマンショックなど数々の出来事がおきました。アハメドは、これらが時間をおいて起きたために大恐慌のような事態に陥らなかったが、もし、同時期に起きていたらどうなったか分からないとしています。

 ただ、大恐慌の教訓をいかして、一国の利害にとらわれることなく、国際的な金融制度維持のためにどうすればよいのか分かっているでしょう。個人投資家としても、大いに参考になる本でした。、

 内容    ★★★★★
 読みやすさ ★★★★
 図書館 

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40過ぎの窓際サラリーマン。数学と英語は大の苦手だけど、コツコツ投資頑張ります

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