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消費増税の必要性を財務官僚から聞く(長文)

 4月に消費増税されますが、なぜ必要なのか、テレビやニュースをみても今ひとつ分かりませんでした。日本の財政赤字が世界最悪といっても、日本は国債の大半を国内で消化しているし、家計の金融資産が多いから、大丈夫という反対派の意見もありますし。そんななか、財務省の官僚の「日本の財政再建への課題-消費増税とその先を見据えて」という講演を聞いてきした。長文ですが、まとめてみました。

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 講師は財務省の高田英樹調査室長。個人の見解での講演ということですが、消費増税の必要性を国がどう考えているか、理解できました。驚いたのが質疑の時間で、マスコミや大手企業、団体の方から、結構、日本の先行きに悲観的な質問が相次いでました。まあ、総悲観は買いの原則からいけば、まだまだ日本は投資先として有望なのか、と個人的には思いますが。

 さて、高田さんの話をまとめます。今回の消費増税はそれだけで考えるのではなく、社会保障と税の一体改革の一環であり、それは自公政権→民主→再び自公と二度の政権交代を経て続いてきた経緯があります。最初に年金制度改革法が成立したのは平成16年ですから、実に10年もの歳月がかかりました。政権交代を経て、与野党が超党派(共産党など反対もありましたが)で成立させたことが重要なポイントで、これだけの時間、与野党の合意で決まっていますから、よほどのことでないと覆すことはできないわけです。

 日本の社会保障の現状は、高齢化の進展に伴って給付費が大きく伸びる一方、国民からの社会保険料収入は10年以上横ばいになっています。社会保障費は2000年度に17兆円だったのが、14年度には30兆円と倍近くに膨らみ、今後、高齢化はますます加速するので、さらに増えます。1965年には労働力人口9.1人で高齢者1人を支えていたのが、現在は2.4人に1人、そして2050年には1.2人で1人と、どんどん支える力は弱くなります。分母を増やすために、高齢者や女性の社会進出、人口を増やすための子育て支援などは必要ですが、いずれも結果が出るまで時間がかかります。今回の増税分は社会保障費に回ることになります。

 すでに26年度予算で、歳出のうち、社会保障費が31%、国債費が24%を占め、政策経費は全体の4分の1しかありません。歳入でみると、公債金は43%に上っており、所得税は15%、法人税は10%にとどまっています。増税後を見越した予算ですから、消費税は16%と、3税のなかでもっとも多く、しかも、税収が景気に左右されにくく安定しており、老若男女だれもが支払い、特定の層に集中しないので、公平性の観点からも社会保障の財源調達手段としてふさわしいと考えられます。

 一方、国の財政をみると、税収はいまだにバブルのころより低く、公債で補っていますが、公債残高は増える一方。幸いにも利払い費は金利が低下したため、頭打ちになっていましたが、脱デフレになり、インフレになれば金利は上訴湯するので、利払い費の負担も増えることになります。従って、まだ金利が低いうちに、対策をとる=消費増税の必要がありました。

 さて、消費増税の当面の懸念としては経済への悪影響です。特に1997年の増税時には景気が見事に腰折れしました。そのため、政府は5.5兆円規模の経済対策を実施します。今回、増税直後の4-6月期は2兆円程度の悪影響が想定されるので、それを十分上回る分をカバーしました。また、97年にはアジア通貨危機や山一証券、北海道拓殖銀行破綻など日本の金融システムが不安だったことも、景気腰折れの主要な要因でしたが、今回はそのような外的要因は現状、見当たりません。民間予測では7-9月期は2.1%成長に戻りますし、もし、4-6月期にマイナス4.6%だったとしても、実質GDPの実額としては、昨年同期と変わらない規模な訳です。また、前回は消費増税しても税収は増えなかったという指摘がありますが、これは99年の所得税・法人税減税の影響と考えられるそうです。

 ちにみに、アベノミクス3本の矢は、それによって、デフレを脱却し持続的な経済成長ができます。それと、財政の健全化、社会保障制度改革による安定化で、新たな好循環を実現していく、というのが講演の概要でした。

 質疑のなかで驚いたのが、マスコミ関係者からの質問でしたが、現在、国債先物の現物買いの4割、先物は7割が外国人投資家だそう。従って、これが一斉に売りに回ったら日本の国債市場はクラッシュする危険がある。外国人投資家は法人減税や雇用規制緩和を求めているが、どうなのかというものでした。また、もっと率直に日本が財政破綻したらどうなるのか、との質問もありました。

 もし破綻すれば、国債の多くを持っている金融機関はクラッシュして、一般企業へもそれが波及します。従ってクラッシュさせてはならないことになります。日本をめぐる課題は法人減税や雇用規制緩和だけでないのに、外国人投資家がそのことを重点的に取り上げようとしているのは、論理的にどうかと思います。しかし、施策に当たっては外国人投資家の考えも考慮しなければなりません。安倍首相も英米へ行って投資家相手にPRしているわけですから、政治家、官僚、そしてマスメディアも、かなり市場を気にしているな、という率直な印象を受けました。

 消費増税は外国人投資家へ、日本も財政再建を考えているとサインを送るわけですから、来年の10%への再引き上げも重要です。それには、今回の増税後にどれだけ影響受け、それをリカバリーできるかが、安倍首相が判断する際の基準となります。そうした意味では、あと半年で、日本の将来に影響する重大な結果がでるな、と身が引き締まる思いでした。

 先日の金融庁シンポジウムの三井金融庁統括審議官もそうでしたが、高級官僚が、私のような一般人に講演を行って、質疑にも丁寧に答えてくれるというのは、良いことだと思います。今まで官僚や役人というと、民間に対して威張っているという印象が強かったのですが、少なくとも現場との対話を進めていこうという風潮は出てきているのではないでしょうか。国の考えを直接的に聞ける機会はそうそうないので、これからも機会を見つけて、この種の話を聞きにいこうと思っています。

 ちなみに私自身は、消費増税についてはニュートラル。増税後の影響もなるようになるし、そもそも日本経済が破綻する危険性はきわめて低いと考えていますから。ただ、国の思うとおり、財政改善に通じれば良いけれど、うまくいかなければ、すぐに対策を講じてほしいとは思っています。

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40過ぎの窓際サラリーマン。数学と英語は大の苦手だけど、コツコツ投資頑張ります

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