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日本も富裕層は独立するのか

 少し前に話題になったNHK「クローズアップ現代」で放映された「独立する富裕層~アメリカ 深まる社会の分断」を録画で見ました。NHKは格差反対というトーンで放映しており、ゲストのジャーナリスト、堤未果氏も非常に問題であるという論調でした。

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 番組はホームページで詳しく紹介されています。簡単にいうと、アメリカで「富裕層は税金が貧困層のためばかりに使われていると反発し、みずからが住む地区を周囲と切り離し、新たな自治体を作る動きを強めている」。アメリカでは住民投票で新しい市ができるので、新しい市では警察と消防をのぞいて行政サービスを思い切って民営化。逆に治安維持のための警察は強化しているそうです。一方、新しい市に富裕層が移ったため、もともとの自治体は税収が減少し、公立病院の予算が削減されたり、図書館の開館時間が狭まるなど、貧困層に悪影響がでているとのこと。

 実は富裕層といっても、彼らが集まったサンディ・スプリングス市の平均収入は1000万円程度。平均なのですから、中央値でみればもっと低いでしょう。日本でいえば中高年の大企業サラリーマン程度でしかありません。もっと大金持ちだけが集まって、文字通り、物理的に高い壁で覆っている地域を想像したのでちょっと意外。映画「エリジウム」のような格差社会とは全然違いました。

 また、番組では説明していなかったのですが、そもそも、旧来の自治体がもっと行政を効率化していれば、富裕層の不満もおきなかったのではないかという疑問が強く残りました。確かに貧しい子供がろくな診療を受けられないというのは問題です。でも、アメリカの場合、そもそも保険による医療費が高いという問題を解決するほうが本筋でしょう。

 それはさておき、1000万円程度の人たちの自治体について取り上げながら、堤氏が「経済格差が完全に1%の持てる者とそれからそれ以外の持たざる者、完全に国を分断してしまっている」と説明するのは大げさなような気がしました。そもそも、NHK職員の平均給料は約1200万円ですし、堤氏も本人の年収はいざ知らず、夫は参議院議員なんだから世帯年収は3000万円はあるだろうセレブなわけで、説得力を感じませんでした。

 むしろ、日本では政府が年収1000万円層を狙い撃ちしています。今週号の週刊ダイヤモンドは「年収1000万円の不幸」という特集をしていますが、特にサラリーマン世帯(自営業者は年収を経費で削減できる)の年収1000万円層は、まさに増税のターゲット。高校有料化、子供手当ての対象外、所得控除の上限など、集中砲火を浴びています。

 日本では法制度上、住民が自治体として独立するわけにいきませんが、税金の無駄遣いの様子をみていると、特区制度があるのだから、富裕層独立自治体特区を作ればいいのにとも 思いました。いずれは、この層の不平がたまって、自治体として独立したいとなるのか、それとも日本人の特性通り、お上のいうことに逆らえないのか、後者の可能性が高いと思いますけど。

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50歳でセミリタイアしたおっさん。数学と英語は大の苦手だけど、コツコツ投資頑張ります

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