雇用の流動化は若者を助ける?

 選挙絡みで中高年と若年層の世代対立を煽るような言説をネットでそこそこみるようになりました。その中の一つに、日本では雇用の流動化がないから、若者が職につけず困る、という意見があります。人材コンサルタントの城繁幸氏が端緒になるでしょうか。ただ、この意見は何度読んでも、理解できません。

 非常に単純な理由で、雇用流動化論者が先進国と仰いでいるアメリカで若者は雇用されているかというと、日本よりも若者が大変としかみえないからです。例えば米国の10代後半の失業率は実に24%。20代前半でも14%に上ります。全体の失業率が7%台なのをみると、若者の苦しさがわかります。

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 日本でも全体の失業率が4.6%なのに対して、10代後半~20代前半が8.2%と、若者の失業率の方が高いですが、割合からいっても、絶対数からいっても、米国の若者の方が明らかに日本よりも失業しています。特に米国では学費ローンが返済できずに退学したり、就職できないという問題が、日本よりもはるかに社会問題化しており、イラクやアフガンの派兵の際も、学費ローンを免除されるために軍隊に志願する大学生の話が話題になりました。日本でも奨学金を返済できない若者が増加していますが、さすがに自衛隊に志願するという話まではいってないでしょう。

 また、米国では子供の50人に1人がホームレスという調査結果が出ています。 日本でも生活保護家庭が急増しているとはいえ、さすがにクラスに1人は親がホームレスという状況にはなっていません。米国の若者の方が日本の若者より恵まれているとはとうてい思えません。

 もちろん、米国はチャンスの社会ですから、ハーバードをはじめ著名な大学を卒業して、大手金融機関やグーグルなどに勤めれば、日本の若者の何十倍も稼げますが、そうした若者はごく一部。むしろ、困難な若者は米国のほうが圧倒的ではないでしょうか。日本でも優秀な学生は、いまでも就職で内定を何社もとっています。雇用の流動化を推進すると、ますます優秀でない学生にとっては、苦しくなるような気がします。

 ちなみに雇用流動化論者の発言に疑問を感じたのは次の点です。飯田泰之氏が、城繁幸氏がよくいっている言葉として、「牛丼屋は松屋・すき家・吉野家でアルバイトの給料がほぼ同じです。自由競争産業では給料の差がでない」。というのを上げました。

 でも、アルバイトの給料は同じでも、有価証券報告書によると吉野家の従業員の平均年収は793万円、松屋フーズは541万円と1.5倍近く違います。問題は正社員の給料であり、ちょっと調べればあまりにも違うのに、それを強弁している。(ちなみに日経BPのコメントに、このことを書き込みましたが、没にされました)。この手の論者の本を読みましたが、いずれも実情とかけ離れているように思えます。

 ネットの言説では、ちょっと調べれば間違えてることでも、声が大きい人が通っているような感じです。私が経営者だったら雇用の流動化ができれば、若者も中高年も捨てて、さっさと海外にいってしまいます。雇用の流動化が若者の雇用増加に結びつくとは思えません。むしろ、年代の格差問題をことさらいいたてるのは、別の何かを覆い隠しているように思えてなりません。

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40過ぎの窓際サラリーマン。数学と英語は大の苦手だけど、コツコツ投資頑張ります

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