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【投資本55】フェリックス・マーティン著 Money 21世紀の貨幣論

 マネーとは何なのか、気鋭のエコノミストが歴史をさかのぼって、経済学者の常識を覆す論を展開しています。そもそも、マネーの起源は物々交換にあるとされていました。しかし、著者は南太平洋の孤島、ヤップ諸島の巨石の通貨と、高度な経済システムを取り上げ、信用取引・決済こそマネーであると指摘しました。これは決して突飛な論ではなく、ケインズやフリードマンにも通じる考え方だそうです。



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 そして、古代メソポタミア、中国、ギリシャからマネーの起源を解き明かし、君主の統治の道具としてのマネーのありかた、中世ヨーロッパの銀行の発明により、マネーがむしろ国民の自由につながっていったことを、見事な筆致でよみがえらせます。とにかく筆者の歴史への造型は深く、例えば、中世のスペインでは破綻した銀行の経営者は死刑になったことや、ソ連崩壊後、食料の責任者がロンドンを視察して驚いたエピソードなど、歴史読み物としても十分面白い。

 筆者は現在の経済学がマネーを無視する一方、金融理論はありもしない完全な経済人などを前提として、マクロ経済と無縁な存在になっているため、現場と経済学がまったく乖離していると批判。その犯人はジョン・ロックやアダム・スミスにあるとしました。このへんは、探偵小説を読んでいるような痛快さです。

 筆者はオックスフォードで博士号を取得し、世界銀行やロンドンの資産運用会社でマクロエコノミストとして活躍している人で、経済学にも現場の実情にも知悉しています。それゆえ、この2つが乖離している現状がおかしいと、本書を執筆したのでしょう。インフレによる所得再配分のやりなおしと、政府・規制当局による銀行の暴走の監視を提言しているのも、こうした経験に裏付いていると思われます。ちょっと、理論にわかりにくいところもありましたが、経済学に関心のある人にはお勧めの本でした。

 内容    ★★★★

 読みやすさ ★★★★

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Author:夢見る父さん
40過ぎの窓際サラリーマン。数学と英語は大の苦手だけど、コツコツ投資頑張ります

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